栃木県益子町から、カラフルな服を通じて「日常にときめき」を届けるアパレルブランドnioki(ニウーキ)。
その服のエネルギーは、
店主・おすずさんの「自分らしくありたい」という覚悟から生まれています。
会社員時代に感じたモヤモヤ、子育てとの両立への葛藤、そして覚悟。
niokiというブランドが生まれるまでの、おすずさんの「原点」の物語を深掘りします。
niokiというブランドを立ち上げたきっかけは何ですか?
今の栃木県益子町に移住したことが、niokiのスタート地点なんです。
この場所で何か起業したい、
自分で何かをやりたいという思いが強くなりました。
子育てをしながら、自分らしくどんなことができるか模索した時、
niokiというブランドが浮かんだんです。
実は、アパレルの経験も、服飾の学校に行ったことも全くないんですよ。
ただただお洋服が好きで、特にカラフルで気分を上げてくれるお洋服が好きで、
趣味で服を作っていたところから始まっています。
現在の住居を空き家バンクで見つけたのですが、
そこがもともと陶芸家さんが使っていたお家で。
住居とは別に、陶器を作っていた「陶房」っていうスペースがあったんですね。
この場所を「いつかお店にしたいな」というところから、niokiの構想が始まりました。
ブランド立ち上げ前、会社員時代や子育てとの両立の中で、迷いや決意はありましたか?
会社員時代は、すごく迷いがありましたね。
働くことは嫌いじゃなかったんだけど、
その会社員で働いている自分に、本来の「いきいきとした自分らしさ」が欠けていると強く感じていて。
ワクワクしない、ただ惰性で働いている感覚でした。
特に長女を妊娠した時、その葛藤が強くなって。
「ただお金のため、とりあえず妥協で働いている姿を、生まれてくる子供に見せていいのだろうか」
という思いが強くなり、そこから移住もあって、実際的な行動につながっています。
会社員を辞める時は、安定した収入を手放すことに対して、
やっぱりすごく勇気がいりました。
不安定になるし、自分が頑張らないと収入にならないわけだし。
その覚悟を決めて、会社員を辞めました。
子育てとの両立に関しては、会社員時代の方が難しかったですね。
子供と一緒に過ごせる時間は短いのに、自分に余裕がないと、
どうしても焦りやイライラにつながっちゃう。
だから、まず自分が心からなりたい姿、子供たちに見せたい姿になるということを、
niokiを始める上での根本に据えています。
「nioki」というブランド名の由来や、そこに込められた意味を教えてください。
niokiは、私の旧姓のイニシャルNと、今の名字のイニシャルK、
そしてその間をつなぐIを組み合わせたものです。
これは、「ただ消費される社会」ではなく、
世代を超えて愛され、次世代につないでいけるものにしたい
というコンセプトを込めています。
NからKへバトンをつないでいくという意味ですね。
ブランド名は、当初「ニキ」を考えていたのですが、
アフリカ・コンゴ民主共和国の地名に「ニウーキ」という地名があることをたまたま見つけて、
運命を感じて「nioki(ニウーキ)」にしました。
ロゴには、私の覚悟を込めています。
高校からの友人に、
息子をおんぶして娘の手を引き、地元のお祭りに行く私という、
家族のありのままの姿を描いてもらいました。
事業をやっていく中で、
くじけそうになったり、悩んだりした時に、
このロゴに立ち返り、「何のためにやっているんだっけ」と思い出せる、頑張れる軸としています。
ロゴについては、こちらの記事もご覧ください♡
https://nioki-amkupi.com/origin-nioki/
最初に作った服や販売のエピソード、はじめてお客さんに届いた瞬間の気持ちは?
最初に作ったのは、今ではniokiを代表する、
カンタキルトとブロックプリントを合わせたワンピースです。
わずか2着からスタートしました。
当時はオンラインのみでのご案内だったのですが、
販売前からSNSでたくさん反響をいただいていて、
販売開始2分でどちらも完売することができました。
その時、
「自分の思いが届いたんだな」
「待っていてくれた人がいるんだな」
という喜びをすごく感じましたね。
ただ単に商品を「いいよ」って伝えるだけじゃなくて、
インスタグラムで私自身の体型コンプレックスがあるから
「こういうふうに工夫して着れるようにしているよ」といった、
服に込めたストーリーや思いを伝えていたことが、多くの方に響いたんだと思っています。
この「想いを伝える」という姿勢は、今も変わってないですね。
カラフルな服に惹かれる理由は何ですか?子供時代や過去の体験があれば教えてください。
単純に「好き!」という気持ちが強いです。
どうして惹かれるかというと、
やっぱりカラフルな服は着ると元気になるから。
私自身を元気にしてくれるし、周りからもポジティブな印象で見てもらえるのが理由です。
もちろん黒や白も着るんだけど、カラフルな服を着ると顔も気分も明るくなる。
身につける洋服からパワーをもらっている、という感覚がすごくあるんです。
実は、私の名前の「すずか」の「す」は「朱色の朱」と書くのですが、
その文字にも朱色の「赤」が入っています。
子供の頃から色ものを着せてもらっていたり、
「赤が似合うね」って言ってもらっていた経験も、
カラフルなものに惹かれる原体験になっているのかな、と思います。
vol.02【niokiが動き出す今】へ続く。